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遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書の作成

 遺産分割協議書の作成について説明します。

  遺言書があればそれに従うのが原則ですが、遺言書がない場合は、遺産分割協議をすることによって、法定相続分を変更することができます。
  相続税の申告は死亡日から10ヶ月以内ですが、遺産分割協議そのものには期限はありません。

  協議をするにあたっては、相続財産を確定し、何通りかの協議案を相続人全員が前もって見ておくと、話しが前に進みます。
 

遺産分割協議書作成の大きな流れ


1.遺産分割協議書を作成しようと家族で検
討する際には、まず作成手順と確認するポイント
を理解しておくことが必要です。

  相続人と相続財産があいまいなままで話しを進め、だいぶ後になって大きな借金が見つかったとか、知らないところに預金があった、あるいは相続人の把握で1人抜けていたということになると、協議をまた最初からやり直すことになります。

2.注意すべきは、専門家にサポートを依頼する場合でも、相続人が誰かはチ

ェックできますが、そのご家族のすべての財産は確認のしようがないということです。
  いくら相続に精通した行政書士が調査し、税理士が完璧に相続税の申告・納税をすませても、うっかりした財産の漏れや意図的な財産隠しは把握できませんから、発覚すれば当然修正申告をすることになります。

  従って、財産の調査はじっくりと家族間で話をして、自己責任という意識で作業を進めることが大切です。


  遺産分割協議書作成の手順

1.遺言書の確認

    ・遺言書がある場合は、家庭裁判所の検認を受けたり、故人の遺志に従
うわ       けですから、ここでは遺言書がない場合について説明します。

    ・ただし、遺言がある場合でも、遺言執行者がいなければ、相続人全員と受       遺者の同意があれば、遺言と異なる遺産分轄協議をすることができます。

    ・また、遺言と異なる遺産分割協議を行う場合で、遺言執行者がいる場合         は、遺言執行者の同意を得たうえで遺産分轄協議を行うことが可能です。

                                                   


2.相続人の確定・相続財産の調査

    ・謄本とかで相続人が確定できたら、A4用紙1枚に「相続関係図」を作成      しておきます。
    ・相続人の中に未成年者や行方不明の方がいたら、早めに裁判所で手続きを      行います。


                                                   

3.相続放棄・限定承認の検討

    ・相続放棄・限定承認の手続きは、相続があったことを知ったときから3ヶ       月が期限ですから、かなり急ぎます。

    ・相続財産の範囲で故人の債務を負担する限定承認を選択する場合は、相続       人全員の合意が必要です。


                                                  

4.遺産分割の協議

    ・家族間の事前の話し合いで、大まかな希望を聞いて、不動産・預貯金など       の分け方を3種類ぐらいで分割案を作成し、遠方にいる相続人にも郵送し         ておきます。

    ・財産のすべてをリストアップできても、不動産の評価額はすぐには出
てき       ませんから、正確な価額はなくても概算の段階で、早めに案を提示してお       けば、同意するか不満なのかの反応がわかってきます。

    ・注意すべきは、ご主人である父が亡くなり配偶者である母に、配偶者軽減       特例を利用して不動産を母に相続させた場合、節税を図るつもりが、将来       母が死亡する2次相続の時点で、値上がりした不動産のおかげで子供たち       に思わぬ税金がかかってくる可能性があるということも想定しておくべき       です。

    ・相続人間で不満がありそうで
紛争を避けようとすれば、法定相続分通りに       分割して提案するのが一番手っ取り早い方法です。
        しかし、現金が少なく財産のほとんどが不動産であれば、もめることは         必至で、不動産を売却して現金化するか、どなたかが互譲の精神で我慢し       妥協するしかありません。

遺産分割の手段

 

現物分割相続の基本的な方法で、個々の財産を、そのままの形でそれぞれの相続人に取得させる分割方法です。
遺産が不動産と預貯金でバランスよくあれば、一番簡単な方法です。
換価分割遺産を売却して、現金化したものを分割する方法です。
不動産を売却する場合は、一度共同相続人名義の相続登記を経る必要があります。
代償分割相続人の一人が、不動産などを取得する代わりに、他の相続人に対して差額の金銭等を支払う方法です。
ただし、金銭を支払う相続人に経済力のあることが条件です。


                                                  

5.遺産分轄協議書の作成

    ・相続人が全員で協議して相続分を定めたときは、後で問題が出ないよう         に、その内容を文書に記載します。

    ・遺産分轄協議書は、作成義務もありませんし、作成期限も法律で定められ       てはいません。
        ただし、預貯金の名義変更では金融機関から提示を求められますし、相          続税の申告も遺産分割協議書を添付しなければなりません。

    ・また、分割協議も不動産の登記等も先延ばしにしているときは、思わぬ面       倒な事態に陥ります。

      例えば、相続人である子供の1人が死亡した場合、その方の子供が権利を         引き継ぎますので、相続人の数が増え、いざ実印・署名が必要になったと       きに、手間はよけいにかかります。
      その孫である人が海外に行ったり、行方不明になればもっと大変です。


                                                   

6.遺産分割協議書への署名・押印

    ・協議書にすべての記入が終わって相続人全員が合意したら、合意の日付を       記入し、相続人全員分の部数の協議書を作成します。
        それぞれの協議書に各自署名し実印で押印しますが、用紙が数枚にわた         る場合は、各用紙の間に割印も行います。


    ・協議が成立後に、もう一度遺産分割協議をやり直すことは原則としてでき       ません。
        ただし、新しい相続人の出現や、協議中の相続人の意思表示に関して、         詐欺・脅迫などがあったことが証明されたような正当な理由があれば、一       部または全面的にやり直すことができます。

7.調停・審判

    ・協議が不調に終われば、裁判所による調停・審判を申し立てることになり       ます。

遺産分割方法

 

協議分割相続人の間で、話し合いによって遺産分割協議を行う方法です。
調停分割相続人間で話し合いがつかない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てて、裁判所の調停委員などが入り遺産分割の合意をします。
審判分割調停分割の話し合いでもまとまらず、調停が成立しない場合は、審判手続きで、家庭裁判所が分割内容を決定します。

 

遺産分割協議の留意点

遺産分割協議書の作成手順の中で、特に注意すべき点を説明します。

  相続人に未成年者がいる場合

1.相続人に未成年者とその親権者がいて両者の間で分割協議をする場合は、子供の利益を害するおそれがあるため、家庭裁判所に特別代理人の選任を請求する必要があります。

2.特別代理人には、一般に共同相続人でない親族や弁護士などが選任されます。従って、共同相続人でない叔父や叔母あるい親権者は、特別代理人になることができます。

3.子供の利益を害しない場合でも、親権者の意図にも関係なく、特別代理人を選任しなくてはなりません。
  未成年者が複数いる場合は、1人ごとに別々の特別代理人を選任します。


  相続人に行方不明の者がいる場合

1.相続人の中に、行方不明や連絡がとれない者がいる場合は、まず、住民票や戸籍謄本で所在地を探します。

2.所在がどうしてもわからない場合は、裁判所へ不在者管理人選任審判の申立てあるいは失踪宣告の審判の申立てを行います。


  相続人が海外にいる場合

1.その相続人のいる国の日本大使館や領事館から、在留証明書・署名証明書もしくは拇印証明書を取り寄せて、住民票と印鑑証明書の代わりとすることができます。



  相続放棄と限定承認

1.まず、通常にあるのは、「単純承認」で、被相続人の財産のほか、権利義務関係をすべてそのまま承継します。

2.①「相続の放棄」は、相続の開始後3ヶ月の考慮期間内に家庭裁判所に申
立てることによってすることができます。

  相続の放棄をすると、その者は初めから相続人でなかったものとみなされます。従って、孫が承継する代襲相続も認められなくなります。

②  注意すべきは、借金が多いことが判明して、相続放棄を検討する場合、自分は借金を免れても次の順位の相続人に債権者はかかってくることを理解しておくべきです。

③  また、「死去したことを知ったときから3ヶ月以内」に関して、例えば、葬儀を行って4ヶ月経過した時点で初めて借用書類が見つかったという場合は、相続放棄が認められる場合があります。

④  「相続の辞退」と「相続の放棄」は、全く異なります。
家族全員で合意し遺産分割協議書で
相続の辞退をしても、家庭裁判所に申し立てていなければ、債権者に「相続を放棄したから借金を払わない」と言っても通りません。

⑤  相続の放棄の手続き自体は、家庭裁判所が親切に教えてくれますから、個人でもできます。
  相続人や相続財産・負債が明確で複雑な事情がなければ、戸籍謄本や資料をそろえるのも困難ではなく、弁護士や司法書士に依頼しなくても可能です。


3.「限定承認」は、被相続人から相続する債務を弁済する責任が、相続する財産の範囲に限定されるというものです。
  この期間も3ヶ月以内で、相続人全員で行うことが条件です。

 

  被相続人の債務・銀行ローンを相続する場合

  故人の債務が高額で、銀行からの借入の場合、遺産分割協議書を作成する前に、相続人のうちの誰が債務を相続するかについて、銀行と打合せて銀行の同意を得ておく必要があります。

 

  遺産分割の対象にならないもの

1.お墓・祭具など、祖先祭祀のための財産は、「祭祀財産」として、主宰すべき者が承継します。

2.死亡保険金・死亡退職金・遺族年金について、受取人が被保険者以外の者である場合


3.身元保証・信用保証など、個人的信頼関係に基づく契約は、相続されません。

4.代理・委任・定期贈与・使用貸借も、民法の規定によって、当事者の死亡によって消滅するので、相続人には承継されません。

 

  特別受益


1.「特別受益」とは、被相続人からの、特定の共同相続人に対する、遺贈・婚姻や養子縁組のための贈与・生計維持のための贈与などをいいます。

2.特別受益がある場合は、遺産の総額に贈与額を加えたものを遺産とみな
し、これを相続分算定の基礎として各相続人の相続分を計算し、特別受益を受けた者については、この相続分から特別受益分を控除し、その残額を受け取ることになります。

3.特別受益分が相続分を超過する場合であっても、超過分を返還する必要は
ありません。
 

  寄与分

1.「寄与分」とは、共同相続人の中に、故人の財産の維持・増加について特別の寄与をした者がある場合に、相続分以上の財産を取得させるものです。

2.ただし、通常認められる家族間の世話や療養看護では、認められない可能性が高いことに注意すべきです。



  数次相続の場合

1.仮に、父Aが亡くなり、Aの相続登記をしていないうちに、続けて母Bが亡くなった場合、相続人である子供C・Dが遺産分割で相続登記をする場合は、父A・母Bについての遺産分割を一括して協議し、相続登記は1回ですることができます。

2.被相続人の法定相続人が同一のときは、まとめて1回の遺産分割協議をすることができ、法定相続人が同一でないときは、遺産分割協議を別々にする必要があります。

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